私の大好きな「100分で名著」という番組があります。
その番組で、プラトンの「饗宴」という本を取り上げていました。

その本は、はるか2400年も前に書かれたもの
それも、とある家で行われた気楽なパーティーの中で語られる「愛」についての恋愛トークなのです。

しかし、これが深い内容・・・
人間とは何か?生きるとは何か?と、深く語られていきます。

女はもちろん男も含めすべての人は懐妊する状態にある・・・ってくだりには、えっ!どういうこと?
と、驚きの後にすばらしい感動がありました。

懐妊には、生物的に遺伝子を残す懐妊と出産による不死
もう一つは、魂の中での懐妊と出産による不死がある。

人が生きていくとき、毎日何かを生み出し続けている。
その生み出すことによって、その存在であり続ける。
それが、生きることであり精神的な魂による懐妊と出産である。

日々何かを生み出している人は、美しく気高い魂を持つ人との出会いを喜んでいる。
そしてその人がそばにいようと、離れていようと
その人の事を記憶にとどめながら、はらんでいた知恵を産みつけ、懐妊し時期を見て出産する。
魂から生まれる子は現実の子より美しく、不滅の命を持つ「知恵の子」である。

生物的に遺伝子を残すことで死なないということ
でも、それ以上に魂の喜びとして生み出し続け、それが残ることで死なないということ

生物的な事には限界が付きまとうが、魂として生み出すことは、いつでも、誰にでも、どんな状態のときでも
できることなのだろう。
哲学は奥が深い・・・
でも、励まされ前に進みたくなる内容だったのです。

そして、その人がそばにいようと、離れていようとその人の事を記憶にとどめながら・・・
というフレーズでは、これまで出会った多くの美しく気高い魂をもつ人の事を思い出します。
そしてそれもまた、「不死」であると感じるのです。