中村文昭の「しゃべくり」というCDを聴きました。
今週は1週間かけてこのCDで感動したところをお伝えします。

このCDは彼の師匠である田端俊久さんとの出会いから、六本木にバーを出すまでのことが語られています。

師匠である田端さんとの間にはいくつかのルールがありました。
その中には、0.2秒で「はい!」と言え・・・という教えがあります。
それはこの人だと思った人にただ従うということではなく、今、目の前にいる人を感動させるというサービスへの付加価値への教えだったのです。

ある日師匠は、野菜の行商で客さんの感動を集めて貯めた資金を使い4か月後に六本木にバーを出すと宣言します。
そして「中村はしゃべりもうまいしお前がやれ。」やれと言われたのです。
でも、彼には何のノウハウもありません。
「そない言わはっても、むりでっしゃろ~」と彼は心の中で思います。

師匠から某ホテルに行くことを支持されて、「段取り出来てたんやー」と喜び勇んで行ったホテルでの仕事は皿洗いでした。
アルバイトの洗い物係として勤め始めた彼は、の心の中で「でもな~、4か月で六本木にバーなんてしょせん無理だよな~」と、皿洗いをしながら、「でもな~」・・・「でもな~」と思い続けていたのです。

1週間たって、彼は職場を抜け出し、師匠に相談をすることにしました。
「別のところに修行に行った方が、もっと早くに夢がかなえられると思いませんか」と言う彼に師匠は、めちゃくちゃ怒鳴り始めました。
「言い訳をするな!」「この、でもでも星人!」
「お前の都合通りの職場は無い。」
「自分の都合通りにいかないところで、お前でなければという存在にならなれ。」
「お前はその洗い物の仕事を、試されていると思ってやってんのか?」
「最低の仕事に価値がある。」
「人がのけぞるぐらいの洗い物をせえ。」と時計を渡されるのです。

彼は恥ずかしいなと思いながらもその秒針と競争するように、「いなずま~!」と叫びながら洗い物を始めました。
一緒にやっていた怠け者の先輩は、「おめえ、すごいなそれなら自分は手伝わんでもいいよな。」と、サボり始めます。

数時間後には、調理場の先輩が「お前、馬鹿じゃないの?そんなに一生懸命やっても時間給は上がんねぇんだぞ。」と言い始めます。
そんな先輩に彼は、「どうせやるんなら、日本一の洗い物をしたいと思ったんです。名付けて”稲妻の洗い物”です。」と答えるのです。
すると先輩は「馬鹿じゃないの~!」と大笑いし、ホテル中に言いふらしました。
そして彼はたった1日でホテル中の有名人になり、みんなが彼を見に来てはクスクスと笑い始めたのです。







そこで、